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皮膚科全般

どんな皮膚疾患でも診察致します。当院で治療することが適当であると判断した患者さんは、精一杯治療します。他で治療した方がよいと判断した患者さんは、適切な時期に適切な施設に紹介します。ごく当たり前のことではありますが、このことを肝に命じて患者さんを診察して参ります。
皮膚のことで心配なことやお困りのことがありましたら、何でもお気軽に御相談にいらして下さい。

アトピー性皮膚炎

私の方針は、「まずはオーソドックスな治療をきちんとやってみる」というもので、以下の4点を中心に考えております。
1.症状にあったステロイド外用薬、場合によってはステロイド以外のプロトピック軟膏コレクチム軟膏の適切な外用
2.症状によっては抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤などの内服
3.保湿剤の使用を含めたスキンケア
4.生活指導

 

<アトピー性皮膚炎の注射薬、デユピクセントについて>
約3年前にデユピクセントという注射薬がアトピー性皮膚炎の治療薬として認可され、その有効性と安全性が、皮膚科医の間に広く知られる様になりました。当院でも扱っています。
15歳以上で、通常の外用治療を6ヶ月以上行っても効果が不十分な、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんが治療の対象になります。
治療効果が不十分なアトピー性皮膚炎の患者さんの中には、しっかり治療しているのにあまりよくならない方の他に、頑張って治療に励むと良くなるけれど、少し治療を控えたり、少しのきっかけでまた悪くなってしまうため、治療に前向きになれなくなっている方、ある程度落ち着いていて、これくらいで我慢するしかないかと思っているけれど、実際にはいろんな不都合を抱えている方など、いろんな方がいらっしゃいます。高価ではありますが、今までにない効果が期待できる治療薬です。興味のある方は診察の際に声をかけて下さい(2021.10記載)

<お知らせ>日頃から患者さんをご紹介している埼玉協同病院皮膚科の伊藤理恵先生が、アトピー性皮膚炎をわかりやすく解説した動画を配信されました。ご覧になってみてください(2022.5.29)。

 

アトピー性皮膚炎(乳児)

アトピー性皮膚炎は皮膚が乾燥肌で敏感で刺激に弱い、アレルギーを持ちやすいという二つの要素から成り立っています

アトピー性皮膚炎と診断すると、すごく大変な病気になってしまったと思われる親御さんをよくお見かけしますが、乳児アトピー性皮膚炎は、1歳半までの間に約半数は自然に治ります

誰が治るのか、誰がその後も続くのかは、今のところわかっていません。よく「ステロイドを塗ったから治らなくなった」と言われる方がいますが、これは誤解です。治る人は何もしなくても治るのであり、少なくともステロイドを使ったら治りにくくなるということはありません

最近、アレルギーを持つ経路として経皮感作が重要視されています。皮膚にアレルギーのもとが触れて、そこからアレルギーが始まるという考え方です。もともと、アレルギーを持ちやすいという性質があってのことではありますが、皮膚の表面を整えてアレルギーのもとが皮膚に入っていかないようにすることで、アレルギーの発症を予防出来る可能性があるという考えです。早いうちに皮膚炎を治療して皮膚をよい状態にしておくことは、アレルギーの発症予防の観点からも大切なことだと考えられてます。

治療方法

私は、ステロイドを使った軟膏療法と保湿剤を使ったスキンケアをしっかり行うことをまずお勧めしています。痒みが強い場合は痒み止めとして、抗アレルギー剤を処方しています。

皮膚炎をとにかくまずはなくすこと、そしてよい状態を保つことが大切です。皮膚炎を繰り返すことはよくありますが、上手くお薬を使ってよい状態を保ち、自然の経過で皮膚炎が出にくくなるのを待ちましょう。

最近、ステロイド以外の塗り薬(コレクチム軟膏など)も生後6ヶ月から使用できるようになりました。このようなクスリをうまく使うことも大切です。

また、肌質改善目的で、「黄耆建中湯」などの漢方薬を処方することもあります。食べ物と同じ感覚で長く飲んでいて問題の無い漢方です。生後早い時期から飲めます(練ってお口の中に貼り付けたりします)。

アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係

アトピー性皮膚炎の人は食物アレルギーを合併することがあり、食物アレルギーの人がアトピー性皮膚炎を合併することもよくありますが、このふたつの病気は別々のものと考えられています。

血液検査をするとアレルギー反応が出ることはありますが、これが本当に皮膚病変を悪くしているかどうかは、わかりません。

一般に、皮膚における食物アレルギーの反応は蕁麻疹型であると考えてられています。発疹がすっかりよくなった時点で食べてみた後に、蕁麻疹型の反応(通常1時間以内に生じます)が出るかどうかで、その食材にアレルギーがあるか無いかを判定することもあります。

よくある質問

Q:「ステロイド(クスリ)を付けてもよくなりません」どうしてでしょう?
A:  十分な量の薬を付けていない可能性があります。ステロイドに関しては、チューブのお薬の場合は、人差し指の第1関節に乗せられる量で、手のひら2枚分の範囲に塗り広げられるとされています(1FTU:ワンフィンガーチップユニット)。すり込む必要はありません。保湿剤はもっと多い量を、手のひらでたっぷり付けて下さい。

Q:「ステロイド(クスリ)を付けるとよくなるけれど、止めるとすぐぶり返します」どうしてでしょう?
A: クスリをつける期間が短すぎていることがあります。クスリを塗り始めると赤みはすぐひきますが、そこで薬を止めてしまわないで皮膚のざらざらした感じがなくなるまで、目をつぶって触ったときに何も触れなくなるまで薬を付けて一旦皮膚炎を治すことをお勧めします。また、クスリを使用しなければいけない部位に保湿剤を一生懸命付けている親御さんをよく経験します。クスリを使用しなければいけない部位、クスリのやめどきはとても大切です。ご相談ください。

Q: 食物アレルギーを発症させないために、離乳食を遅くした方がよいでしょうか?
A: この考え方は、今は否定的になりました。蕁麻疹、下痢など、アレルギーの症状が既に出ている方は別ですが、アトピー性皮膚炎のお子さんも、通常通り離乳食をはじめて良いといわれています。

Q: 血液検査で陽性な食材はアレルギーがあると考えてよいでしょうか?
A:  いいえ。検査結果だけからでは、アレルギーありとはいえません。負荷テストをしてみないと判定できません。

うっ滞性皮膚炎・下肢静脈瘤

静脈の流れが滞ると、老廃物を多く含んだ血液が脚にとどまり続け、むくみ、皮膚炎、色素沈着などの症状がみられるようになります。これがさらに進行すると皮膚が硬くなっていき、潰瘍(傷)ができやすくなります。しばしば静脈瘤を伴います。これらは症状により「うっ滞性皮膚炎」、「静脈瘤症候群」と呼ばれています。出産経験のある中高年の女性や、立ち仕事の多い人に多くみられます。

症状

膝から下がむくんでだるい、特に夕方頃ひどくなる、痒い皮膚炎ができる、皮膚が茶色く色づいてくる、痛みのある傷ができて治らない(静脈性皮膚潰瘍)、赤く腫れて痛い蜂窩織炎)、足の静脈が太くなってコブ状に浮き出て見える(静脈瘤)などがあります。

原因

多くは静脈の還流不全(静脈の機能が不十分で、足先から心臓方向に血液が戻りにくくなっている)により生じます。静脈に血栓などができて静脈が詰まっても似た症状がおこります。

診断

皮膚科のクリニックですので、膝から下の痒い皮膚炎や治りにくい傷ができたり、炎症(蜂窩組織炎)をおこして来院する患者さんがほとんどです。その際、以前から膝から下のむくみがある場合や、静脈瘤がある場合などは、皮膚炎や傷の原因として静脈のうっ滞を考え、うっ滞性皮膚炎や静脈瘤症候群と診断します

症状により静脈のどの部分に問題があるのか、どんな状況なのかを評価する超音波検査など静脈の機能検査や静脈瘤の外科的治療(血管内焼灼術や硬化療法)が行える専門施設にご紹介して、診断と治療方針のご相談をします。

治療

当院では皮膚炎の治療、傷の治療、スキンケアを行うとともに、弾性ストッキング(圧迫ストッキング)*、弾性包帯の使い方の指導、生活上の注意事項や膝下の筋肉を鍛えるエクソサイズを紹介しています。紹介した専門施設と協力して治療にあたることもあります。

*弾性ストッキングについて

静脈瘤の場合は30〜40mmHgの圧迫力が理想です・圧迫力の強いストッキングをはくことが困難な場合は20〜30mmHgを選びます。この際は2枚重ねをすることをお勧めします。
一般的にはハイソックスタイプで十分です。

弾性ストッキングがうまくはけない患者さんが少なくありませんので履き方の指導も行います。弾性包帯マジックテープ付きの包帯も紹介しています。

注意)弾力ストッキングの寿命は約半年です。
起床時から就寝時まではいて下さい。

円形脱毛症

円形脱毛症とは、円形や楕円形の脱毛斑が突然生じる疾患です。

症状

一般的には10円玉くらいの脱毛と思われていますが、頭部全体に広がるものや、眉毛やまつ毛、体毛などに及ぶ重度のものまで、その症状はさまざまです。小型で数の少ないタイプは自然に治ることも多いのですが、広い範囲の脱毛斑の場合は、治りにくく再発を繰り返すことも少なくありません。

原因・検査

リンパ球という細胞がなぜか誤って毛の根元にある毛包を攻撃してしまう為に起こると考えられています。本来、リンパ球はウイルスや細菌を攻撃するときなどに活躍する細胞です。このリンパ球が、攻撃する相手を間違えて自分自身の毛包を攻撃するために髪の毛が抜けてしまうのです。ストレスが原因ともいわれていますが、実際には原因不明のことが多いです。

一般的には有用な血液検査はありませんが、多発する円形脱毛症の場合などでは甲状腺疾患や膠原病など内科的な病気が潜んでいることがあるため、検査を行うこともあります。

治療

当院で行っている治療法や紹介先での治療法を中心に記載します。特に4.局所免疫療法は有効な治療法ですが、実施医療機関は多くありません。脱毛斑が多発している方やこれまでの治療で治りにくい方はご相談下さい。

1. 外用薬:塩化カプロニウム(フロジン)液、ステロイド含有ローション
2.内服薬:抗アレルギー剤、セファランチン、グリチロン
3.紫外線療法:
紫外線には、免疫の働きを調節する作用があります。この紫外線を脱毛した部位に照射することで治療します。当院では、308nmという波長を放出するエキシマライト(エキシプレックス)を使用しています。1〜2週間に1度繰り返し治療します。まずは10回程度繰り返すことをお勧めしています。
4.局所免疫療法:自然界には存在しないSADBEという薬品にわざとかぶれさせ、円形脱毛症を治療する方法です。局所免疫療法の作用機序は完全にはわかっていませんが、かぶれを起こす正常なリンパ球を脱毛している部位に集めることにより、毛包を攻撃する異常なリンパ球が脱毛部位に侵入するのを防ぐと考えられています。この方法は、かゆみや赤みが出て辛いことがあるかもしれませんが、円形脱毛症の治療法として世界的に評価が高く、現在最も有効な治療法の一つです。脱毛斑が多発する場合や他の治療で治りにくい場合に行います。費用:1回3000(+税) 円(保険適応外)
5.液体窒素:脱毛部に2週間に1回を目安に冷たい液体窒素を当てます。わずかに赤くなり軽い炎症を起こします。作用機序は明らかでありませんが、以前より行われている方法で有効実績があります。
6.ステロイドのパルス療法:急速に脱毛が広がる場合に適応があります。早い時期に治療を開始すると効果が高いと報告されています。
専門の医療機関に御紹介しています。

陥入爪と巻き爪

「爪が食い込んで痛みがある、爪のまわりが赤く腫れて、ボコボコとした赤いものが盛り上がってきた」、こんな訴えで来院する患者さんは少なくありません。これは爪が皮膚に食い込んだために起こる陥入爪の症状です。「陥入爪」と「巻き爪」はしばしば混同されています。まず陥入爪と巻き爪とはどういうものなのかお伝えし、陥入爪の治療について私が行っている方法を中心に紹介します。

陥入爪の症状と原因

症状:爪の側縁が皮膚に食い込んでいる状態です。爪が皮膚に食い込むことで痛くなります。傷ができて周囲の皮膚に炎症を起こり、細菌感染を合併すると膿を持ったり、赤みや腫れ、痛みがさらに強くなります(化膿性爪囲炎)。また、肉芽という赤いボコボコが形成されることもあります。

原因:①深爪(爪の両端を短く切ること)。爪を切った断端がトゲの様に残って皮膚を押すこともあります。②合わない靴の使用、間違った靴の履き方により横方向の力が加わること、③巻き爪や爪水虫、そのほかの爪の病気による爪の変形、④オーバーサイズネイル(ゆびの幅に対して爪の横幅が広すぎる)など。⑤肥満(爪と爪の周囲に体重がかかるため、爪の周囲の皮膚が盛り上がり爪が食い込む)。

巻き爪の症状と原因

症状:爪甲が逆U字型に過度にわん曲している状態です。爪が皮膚に食い込む(陥入爪)原因の一つが、爪のわん曲による変形ですので、巻き爪は陥入爪にしばしば合併します。

巻き爪になると爪と爪の下の皮膚(爪床)の間に隙間ができることが多く、そこに爪水虫が生じることもあります。

原因:① 垂直方向の荷重不足(外反母趾などによる足趾の変形、浮きゆび:爪はもともと内側に巻く性質があります。この巻こうとする爪を、上から地面を押しつける力と地面から押し返される力のバランスで巻かないようになっています。この上から押す力が弱いとゆびは浮いてきますし、爪も巻いてきます。)、② 合わない靴の使用、間違った靴の履き方による圧迫、③ オーバーサイズネイル、④ 爪の両端を斜めに切ること(否定的な意見もあります)など。

陥入爪の治療

爪水虫が疑われる場合は、顕微鏡検査をします(鏡検)。爪の変形の原因となる他の病気がないことも確認します。

 コットンパッキング:爪と皮膚の間に綿花(綿球を解したもの)を挿入し爪と皮膚のぶつかり合いをやわらげる方法です。医療用ボンドで固定することもあります。ボンドと綿花の使い方次第で、「人工爪」(ネイルアートで使用するガラスフィラーなどを用いて爪を足す方法。爪が短すぎて爪前方の皮膚が隆起して爪と皮膚がぶつかり合う場合などに有用。)の代用にすることもできます。ガター法(細いナイロン製のチューブを開いて爪の側縁を包む様に挿入する方法)を行う施設もあります。

②  テーピング:皮膚をテープで外側や前方に引っ張り、爪と皮膚のぶつかり合いを緩和させる方法です。

③  爪の楔状切除:爪を斜めに切って爪と皮膚のぶつかり合いを緩和させる方法です。

 巻き爪のワイヤー矯正:巻き爪の治療法です。巻き爪を伴っている陥入爪に適応があります。爪に上向きの力を加えることができますので、巻き爪でなくても爪が下方向に陥入している場合は有用です。爪の遊離縁に弾性ワイヤーを通して、ワイヤーが直線に戻ろうとする力を利用してわん曲した爪を平らにする方法です。①②③と併用することもあります。保険適応外治療です。
ワイヤー矯正は1〜2ヶ月ごとに入れ替え、多くの場合2〜6回ほど繰り返します。また矯正終了後、巻き爪が再発することがあります。

⑤  フェノール法:①〜④で難治な場合や、再発を繰り返す時に行うか考えます。非可逆的な治療であること、数年後巻き爪になったという報告もあり、治療に対して批判的な意見もあります。私はオーバーサイズネイルに有用であり、また片側のみ治療する場合はその後の経過も問題ないと考えています。治療前の局所麻酔が必要です。

⑥  肉芽の処置:軟膏療法、硝酸銀による焼灼や液体窒素の冷凍凝固などを行います。
①〜⑤を併用するとよい結果が得られます。

⑦  抗生剤の投与:二次感染を併発している場合に使用します。

 

巻き爪の予防

巻き爪を予防するには、①正しい歩き方②靴の選び方、履き方③爪の切り方が大切です。巻き爪の原因をチェックし、垂直方向に荷重をかけるエクソサイズを紹介し、ワイヤー矯正終了後の再発防止に努めています。
足と足指の変形を矯正する5本指靴下「YOSHIRO SOCKS」もお勧めしています。クリニックで購入していただけますので、スタッフにお声かけください。

傷あと

擦り傷や切り傷、手術による傷が治る(上皮化)した後やニキビが落ち着いた後に、傷あとが残ることがあります。

症状

傷が時間がたつにつれて肌色から白色に近づいた傷あとを「成熟瘢痕」といいます。普通の皮膚とは質感が異なります。例えばリストカット、やけどなどのキズあとが残っている状態です。
また、傷が出来てからしばらくの間、赤くみみずばれのように盛り上がることがあります。これを「肥厚性瘢痕」といいます。通常は時間がたつと赤みや腫れは引いていきますが、赤みや腫れがひくまで1年から5年かかることがあります。痛みや痒みがある場合は、まだ傷に活動性が有り、更に盛り上がる可能性があります。
傷あとの膨らみが傷の大きさを超えて、更に大きく盛り上がることがあります。これを「ケロイド」といいます。ケロイドは特に意識しないような小さなキズ、たとえばニキビや毛嚢炎などからもでき、何もない場所に突然できたように思えるものもあります。胸や肩、お腹(特に帝王切開をされた方の下腹部)、またBCG注射をされた腕ピアスをあけた耳にできることもあります。

肥厚性瘢痕やケロイドの治療

飲み薬、ステロイド入りの貼り薬、ステロイドの局所注射を行います。重症の場合など、専門の病院に紹介することもあります。

成熟瘢痕(盛り上がっていない傷あと)の治療

エルビウムグラス(Er:Glass)という1550nmの波長のレーザー光を用いたラクショナルレーザーで治療します(モザイクリミテッド)。(保険外)

酒さ・酒さ様皮膚炎・赤ら顔

酒さとは、いわゆる赤ら顔で、お酒を飲んでいないのに、「お酒を飲んだ人のように赤い顔」というのが、病名のもとではないかと思われます。原因はまだ十分解明されていませんが、血管が刺激に対して過剰反応して拡張しやすいことなどが挙げられています。
実際には、顔全体が赤いわけではなく、見逃されている患者さんも少なくありません。
本来の酒さではありませんが、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、ニキビの患者さんの中に、酒さの素因を持っている(酒さを合併している)患者さんもいます

ステロイド外用剤などを長く使用していた後に生じたものを、酒さ様皮膚炎といいます。
ステロイド外用剤を長期に使用しても、誰もが酒さ様皮膚炎になるわけではありません。酒さの素因を持っている人がステロイド外用剤を使用して生じるという意見もあります。

*診断や治療についてご相談のある方は、秋元の診療時間にご来院ください。

酒さの症状

顔の赤みは顔の中央部(頬、額の中央、眉間、鼻、小鼻の脇、あごの中央、唇周囲)に生じることが多く、はじめは一時的なほてりでもだんだん持続して赤い状態が続くようになります。灼熱感のほかに、ヒリヒリ感、ピリピリ感、チクチクした痛痒さを感じる患者さんも多いです。浮腫(腫れぼったさ)が生じることもあります。

また赤みの部分に丘疹(ぶつぶつしたニキビのような発疹)が出来ることもあります。

間違われやすい病気:ニキビ、化粧品かぶれ

皮膚以外の症状(眼):結膜の充血、ドライアイ、角膜炎

酒さを悪化させる因子

日光、急激な温度変化、風、熱い飲み物(カフェインよりもむしろ温度)、アルコール、香辛料、感情のたかぶりや緊張、ストレス、化粧品、刺激のある塗り薬、更年期、薬剤(血管を拡張させる内服薬、ステロイド外用剤)

酒さの治療

当院で行っているものを列挙します。
<保険適応>
抗生物質(テトラサイクリン系など)、漢方薬、降圧剤(βブロッカーなど)の内服、タクロリムスの外用,メトロニダゾールの外用
<保険外診療>
イベルメクチンクリームの外用
IPL(フォトフェイシャル)

 

じんましん(蕁麻疹)

蚊に刺されたような痒い発疹ができ、24時間以内にあとかたもなく消える皮膚病です。

じんましんの原因

マスト細胞という細胞がヒスタミンなどの化学物質を放出し発疹が出来ます。
ある決まった原因で出来るタイプと、決まった原因のないタイプがあります。食物アレルギーなどアレルギーによって起きる蕁麻疹や、汗や寒さなどの刺激で生じる蕁麻疹は、決まった原因で出来る蕁麻疹です。
これに対して、特定の原因がなく、繰り返し生じる蕁麻疹があります。疲れ、ストレス、風邪」などでマスト細胞が不安定になり、「香辛料を摂る、衣類で体を締めつける」などの少しの刺激で化学物質が放出されるために生じると考えられています。 繰り返す蕁麻疹のうち8割以上がこの原因不明の蕁麻疹です。

診断と原因の検索

発疹の状態と繰り返して発疹ができるが、個々の発疹は消えるという経過からじんましんと診断します。
まずは患者さんのお話から、原因と考えられるものがあるか、今後対処できることがあるか検討します。 アレルギーで起こる蕁麻疹はごく一部であるため、全てにアレルギー検査を行うことは勧められません。希に感染症、甲状腺の病気、ピロリ菌による胃炎など、別の病気が隠れていることがあり、状況に応じてこれらの病気があるか調べることもあります。

治療

息苦しさや気分不良など皮膚以外の症状を伴っている場合は、入院設備のある施設に受診していただきます。
治療はアレルギーが原因でなくても、抗アレルギー剤という飲み薬を中心に行ないます。抗アレルギー剤には、ヒスタミンをブロックし症状を起こさないようにするだけでなく、マスト細胞を安定化させる作用があります。 抗アレルギー剤にはいくつも種類があり、また抗アレルギー剤以外にも、蕁麻疹に有効な薬があります。時には何種類か試しながら、まずは飲んでいれば蕁麻疹が出ない薬を探します。その後、繰り返す蕁麻疹の場合は、十分病気が落ち着くまで薬を飲み続けます。やめるタイミングは医師の指示に従っていただきます。

原因は不明でも、このような治療でのほとんどの蕁麻疹は治ります。繰り返す蕁麻疹の治療期間は、数日から数年と様々です。

にきび

「にきびは青春のシンボル、いつか時期がくれば良くなるもの」という見方もあります。しかし、うまくニキビをコントロールしないと、病気の勢いがなくなっても、ニキビ跡として残ってしまうことがあります。軽症にみえるニキビでも、ニキビ跡が残ることもあります。思春期以降もホルモンバランスの乱れなどにより、ニキビに悩んでいる患者さんが多く認められます。

皮膚科で行うニキビ治療も、この10年から15年のあいだにだいぶ進歩いたしました。
以前は「ニキビには抗生物質を処方する」というのが主流でしたが、2008年にデイフェリンという薬が発売されたのち、保険で処方できる薬の種類も増えています。
繰り返すニキビの方は、まず皮膚科に受診することをお勧めします。

できてしまったニキビ跡については、保険適応外の治療も含めご説明することが出来ます。

2022年の皮膚の日(11月22日)にあわせて
ニキビの治療方法をまとめた動画を作成しました。
ニキビ治療の全体像がわかるように作りました。
保険で処方できるニキビの薬の使い方、スキンケア、どんなときに保険外治療を考えるのか、についても述べています。
ご覧ください。

**にきびQ&A**

はじめに、ニキビ治療について「よくある質問」を載せてみました。チェックしてみてください!

Q1 :あまりひどくない「にきび」がある。軽いニキビでも皮膚科へ行って良いの
A:小さいニキビでも痕に残ることがあります。小さいニキビでも大丈夫。痕に残したくない方は、早めに皮膚科へ来てください

Q2:皮膚科の治療費は高いの?
A:一般にニキビの治療には保険が適用されます。保険治療の場合は1回に1000円から3000円程度に収まることがほとんどです。

Q3:市販薬と皮膚科の治療薬に違いはあるの?
A:皮膚科の薬には市販薬にはない成分が入っています

Q4:皮膚科の薬にはどんな特徴があるの?
A:ニキビの元の毛穴の詰まりを改善する薬です。ニキビのできている場所だけでなくでき易い場所に広く塗ると予防効果が得られます。

Q5:ニキビはどれくらいの期間で治るの?
A:ニキビを治すのには3ヶ月以上は必要です。皮膚科の治療を続けるとニキビのできにくい肌を目指せます

しっかり治してニキビのできにくい肌にしたい方は皮膚科に来てください。

Q5:どれくらいの間隔で通院するの?
A:はじめは2週間後に来ていただくことが多いです。症状が落ち着いてくれば、1ヶ月から3ヶ月に1度の受診で大丈夫です。

Q6:保険外治療と保険治療は何が違うの?
A:ニキビ痕の凹凸を治す治療は保険適応がないため、保険外治療となります。にきびができた後の赤みを速く薄くする方法も保険適応外治療になります。
ニキビ痕も赤みが減るとずいぶん目立たなくなります。にきび後の赤味がひくのには1年以上かかることが多いのですが、ニキビの予防薬でもある皮膚科の薬を使いながら赤みが引いてニキビ跡が目立たなくなるのを待つのも一案です。
詳しくは長作成の動画をご覧ください。

 

 

にきびの原因

ニキビは皮脂の分泌が亢進したり、毛穴に角質がつまること、ニキビ菌の増殖により発症したり悪化します。年齢やホルモンバランスの変化、ストレスなどがその誘因になると考えられています。

当院のにきび治療(保険適応)

悪化の原因がはっきりしている場合は、まずそれに気付いていただき、改めることでニキビを軽快させることが可能です。悪化原因が取り除けなくても、症状に応じた治療やスキンケアにより、よい状態を保ち、例えば加齢などによってニキビが自然軽快するまで待つこと、また跡が残るニキビを出来るだけ作らないことを治療の目標と考えています。

具体的には‥
繰り返すにきびの場合は、毛穴のつまりを改善させる治療薬を使用します。
1)毛穴のつまりを改善させる薬:フェリンゲル(アダパレン)、ベピオゲル(BPO製剤)、デアックゲル(BPO製剤+抗生物質)、エピデオゲル(BPO製剤+アダパレン)、イオウ製剤
2)皮脂の分泌をコントロールする薬:フェリンゲル(アダパレン)、エピデオゲル(BPO製剤+アダパレン)
3)抗生物質の外用、内服(薬の効きにくい薬剤耐性菌の出現が問題になっています。漫然と使用することは避ける様にしています。

4)その他①:マラセチアという真菌がニキビを悪化させていることがあります。治療として抗真菌剤を使用します。
その他②:生理前に増悪する患者さんなど、ホルモンバランスが悪化原因として疑われる場合は、漢方薬の内服併用も考えます。また1)〜3)の治療をしても治りにくい時にも、積極的に漢方薬の内服を加えています。

当院のにきび治療(保険外)

保険治療で治りにくい場合、治療効果が不十分な場合、保険治療薬が副作用などで使用できない場合に保険外治療を勧めています。しばしば保険治療と並行して行います。
私が取り入れている施術を列挙します。詳しくは保険外のホームページをご覧ください。
ケミカルピーリングビタミン導入(毛穴の詰まり)、m22(IPL)による光治療(ニキビ軽快後の赤み)、フラクショナルレーザー、スキンニードリング(ニキビ跡の瘢痕)。
また、以下のホームケア製品も紹介しています。
石鹸、クレンジング、ビタミンCローション(ITO)、ビタミンA含有製品(エンビロン)、日焼け止め、ファンデーションなど。
最近ビタミンCローション(ITO)の有効例を多く経験しています。お勧めの製品です。

ニキビ跡のフラクショナルレーザー治療について(保険外)

ニキビ跡の凹凸は傷跡と同じです。1年くらいたつと赤味が減ってだいぶ目立たなくなりますが凹凸は残ります。
この凹凸を目立たなくする治療として当院ではモザイクリミテッドというフラクショナルレーザーを使って治療しています。保険外治療は保険治療に比較すると高額です。それでも治療を希望する方にはお勧めの施術です。施術後ガーゼをする必要も無く、日常生活に支障なく治療を行うことが可能です。
当院で治療した患者さんの写真を掲載しています。ご覧になって下さい。

にきびのスキンケア

ニキビだからといってお化粧をしてはいけない訳ではありません。日焼け止めも必要です。けれども、製品によっては毛穴をふさいでしまうものがあり、そのような製品は避ける必要があります。お化粧品、化粧落とし、日焼け止めの選定は大切です。ニキビのスキンケア冊子をご覧になってください。お化粧の仕方も載っています。

イボ・ホクロ

平らな「茶色い色素斑」には、老人性色素斑(狭い意味でのシミ)、雀卵斑(そばかす)、肝斑、遅発性太田母斑、黒子(平らなほくろ)があります。当院ではQスイッチルビーレーザー、フラッシュランプ、 Q-スイッチヤグレーザー、トレチノインで治療します。肝斑または肝斑が混在している状態に、フラッシュランプやレーザー治療をすると、かえって色が濃くなってしまうことがあります。肝斑が混在している場合はケミカルピーリング、ビタミンのイオン導入、トランサミンなどの内服等々を併用します。盛り上がったもの(脂漏性角化症、あるいは老人性疣贅)やホクロは、フラッシュランプと炭酸ガスレーザーで治療します。
詳しくは保険外のホームページをご覧ください。

医療脱毛

当院ではスプレンダーXによるレーザー脱毛を行っています。
レーザー脱毛はその歴史が浅いため、永久に脱毛効果があるかは今のところ実証されていません。しかし確実に毛は細くまばらになります。
レーザー脱毛は短時間で治療ができること、治療中の痛みが比較的軽いことが長所として挙げられます。1ヶ月から2ヶ月毎にくり返しレーザー照射します。
詳しくは保険外のホームページをご覧ください。

医療用ピアス

当院では、医療用の「ブロムダールピアシングシステム」を導入して、ピアスの穴あけを行っています。金属アレルギーの心配が少ない純チタン製ですので、安心してファーストピアスを開けることができます。
*プラスチック製のご用意もあります。

料金

•耳たぶ:1ヶ所 3,850円、2ヶ所 6,930円
•耳軟骨(ヘリックスのみ):1ヶ所 7,700円
(いずれも税込)
•上記料金には、ピアスと諸費用(診察料、手技料)を含みます。

 

施術の流れ

●来院する前・・・・
1)ピアスの穴を開けたい場所を決めてご自身で印をつけていただきます。
2)保険診療の時間帯で行います。
WEB予約システム(ドクターキューブ)でご予約し、来院してください。その際、美容診療(自由診療)のご予約を選択してください。

当日施術します。
部位が決まっていない場合は当日施術できない場合もあります。ご注意ください。

小学生、中学生の施術は行っておりません.高校生の場合も、校則で禁止されている場合は行いません。それ以外の未成年者も保護者の同意書は必要です。1人で来院する場合は、下記同意書を使用して下さい。

●来院後・・・・
1)受付する際ピアスの穴を開けに来たと伝えてください。
2)診察の順番になりますと、スタッフが診察室にご案内し、施術の説明をします。
3)クリニックに用意してあるファーストピアスの中から、つけたいピアスを選んでいただきます。
4)印をつけた所は穴を開ける直前まで冷やします。
5)医師が施術します。
・耳たぶを消毒します
・ピアスを装着した機械で耳が挟まれます
・バチンという音と共に耳たぶに 穴が開いてピアスが入ります
・当日はしばらくじんじんする痛みがあります
5)下記に記載の注意事項※を守ってお過ごしください。

●ファーストピアスをはずす際・・・・
クリニックでも行えますので、ご自身ではずすのが心配な方は来院してください。

 

同意書

ピアス 同意書ダウンロード

ピアスを開けた後の注意事項

① 不衛生な手でふれないで下さい。
完成する前のピアス孔は菌がつきやすく、不衛生な手で触れると細菌感染を起こします。特に穴を開けた直後は感染を起こしやすい時期ですので、十分に気をつけて下さい。

② 毎日ピアス孔周囲を洗ってください。
ご自身の肌に合った低刺激の石鹸を使用して洗浄します。泡立てた石鹸をピアス孔周辺にのせ優しくこすり洗いをします。その後シャワーで洗い流して下さい。ピアスを回転させたりスライドさせる必要はありません。

③ 洗った後はよく乾かして下さい
入浴後にはピアスを外さず、清潔なタオルや綿棒を軽くあて水分を拭き取りるか、ドライヤーの冷風をあてるなどして、乾かしてください。

④ 刺激を与えないで下さい。
未完成のピアス孔をぶつけたり引っかけるなどの刺激を与えてしまうと、炎症を起こしてしまうことがあります。就寝時に枕で圧迫することで同じ状態を引き起こすこともありますので注意して下さい。

⑤ かぶれや腫れの症状がみられたときは、ピアスをつけた状態で来院してください
ご自身でピアスをはずしてしまうと、ピアス孔が塞がって再貫通しないことがあります。

⑥ 耳たぶは6週間、軟骨は6ヶ月、ファーストピアスをはずさないで下さい
温泉、サウナ、プールなど、出来るだけ控えてください。
上記の期間が過ぎても、ピアス孔が完成(安定)するまで(耳たぶは3ヶ月、軟骨は6〜12ヶ月)、いつもピアスは装着しておいてください。ピアスの付け外しは控えめにして下さい
ピアス孔が完成(安定)する前にピアスの出し入れを繰り返すと、傷になりやすく、トラブルを起こすことがあります。

⑦ ピアス孔が完成(安定)した後も、ピアスは付けていてください。
ピアスを付けない状態で長時間放置してしまうとピアス孔が縮小したりふさがることもあります。小さくなったピアス孔にむりにピアスを入れるとトラブルをおこすことがあります。

しみ

平らな「茶色い色素斑」には、老人性色素斑(狭い意味でのシミ)、雀卵斑(そばかす)、肝斑、遅発性太田母斑、黒子(平らなほくろ)があります。当院ではQスイッチルビーレーザー、フラッシュランプ、 Q-スイッチヤグレーザー、トレチノインで治療します。肝斑または肝斑が混在している状態に、フラッシュランプやレーザー治療をすると、かえって色が濃くなってしまうことがあります。肝斑が混在している場合はケミカルピーリング、ビタミンのイオン導入、トランサミンなどの内服等々を併用します。盛り上がったもの(脂漏性角化症、あるいは老人性疣贅)やホクロは、フラッシュランプと炭酸ガスレーザーで治療します。
詳しくは保険外のホームページをご覧ください。

しわ•たるみ

当院ではリフテラV、コラーゲンピーリング、スキンニードリングで治療しています。状態により他院をご紹介しています。
詳しくは保険外のホームページをご覧ください。

イオン導入

イオン導入とは、電流によって分子を移動させ、皮膚に浸透させる方法です。イオン導入により、保湿効果や抗酸化作用のあるビタミン類を効率良く肌に吸収させることが出来ます。当院ではケミカルピーリングの補助治療などにイオン導入を取り入れています。
詳しくは保険外のホームページをご覧ください。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは薬剤を用いて皮膚の表面の角質を除去する治療方法です。にきびは、皮脂の分泌亢進と毛穴に角質がつまることなどにより生じたり悪化します。ケミカルピーリングは、毛穴の角質を除去することでにきびを改善します。ケミカルピーリングを定期的に繰り返すことにより、高い治療効果が得られます。
また、ケミカルピーリングは皮膚の代謝を活性化させる作用があります。くすみや皮膚のざらつきも改善します。
ケミカルピーリング後は皮膚に外用したものが浸透しやすい状態になっていますので、ビタミンAやビタミンCなどの有効成分を深部まで届けるイオン・超音波導入を合わせて頂くとより効果的です。
詳しくは保険外のホームページをご覧ください。

スキンケア製品

積極的に肌質を改善していく製品をお勧めしています。
エンビロンの製品はその多くにビタミンA誘導体を含有しています。光老化を予防し、光老化が進んだ皮膚を若々しい皮膚に変えていく力があります。キメの整った健康な皮膚を作り、皮膚のトラブルを起こしにくくします。ニキビ肌、アトピー性皮膚炎にも有効です。
シミが多発している状態の際は、まずは光治療を行い、その後エンビロンの製品でメインテナンスしていくことをお勧めしています。エンビロン社製のスキンケアを続けることで、良い状態を保つこと、より美しい皮膚に変化していくことも可能であると考えています。
詳しくは保険外のホームページをご覧ください。